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はじまりのとき/アン・サリー/CD

¥3,080 税込

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デビュー20年を越えて、うたい続ける日々がもたらし、醸成されてきたもの...。音楽や医療を通した印象深い人々との忘れ得ぬ邂逅、二つの仕事を並行し守ってきた純然たる音楽への動機。ジャンルレスでユニークな存在であり続けた、その20年の道のりの中で出会った音楽家を集結し、あらゆる思いを注ぎ込んだという記念碑的アルバム。音楽の本来あるべき根幹が揺らいだコロナ禍、2021年の半年間に、スタジオでのセッションに加え、ロサンジェルスやニューオリンズ、日本の地方都市からのリモート録音も駆使し、13曲中10曲がオリジナル曲という、これまでに増して重要な作品となっている。(2022年2月3日リリース 全57分) 

01 かぞくのじかん
02 はじまりのとき
03 あなたのギターになりたい
04 楽観主義的人生観
05 霧の向こう
06 Stardust
07 夜の帳が降りてきたら
08 休日
09 午前3時の幻影
10 名もなき野花
11 夜明け前
12 忘られた歌をうたえ
13 あの河のほとり

◆「はじまりのとき」ダイジェストはこちら→
https://youtu.be/K0IcIBd3OR4

◆ note セルフライナーノーツ→ https://note.com/annsallyofficial

◆「はじまりのとき」インタビュー記事→
https://musica-terra.com/2022/02/02/ann-sally-hajimarinotoki/

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【はじまりのとき】にお寄せいただいたコメント

アン・サリーさんの「はじまりのとき」を聴いた。その声とその音楽の調べは、僕の心のとても純粋な部分に寄り添うように共鳴し、今こうして生きている自分の可能性が無限に拡がっていく心地よさに包まれていった。そして、僕にとっての人生という川に、その声とその音楽の調べが澄んだ新しい水になって注ぎ込んでいくのがわかった。その流れはどんなに狭く曲がりくねっても愛と尊厳の道へと導いていくれるだろう。シンプルに、シンプルに生きよう。そんな思いでいっぱいになった。

松浦弥太郎(エッセイスト)


アン・サリーさんの魅力は、なんと言っても、その「歌声」です。20代の半ば、僕は社会に打ちのめされ、こころくじけていました。そんな時、アン・サリーさんの音楽は、日々を過ごす糧となっていました。その深く沁みる歌声が、僕を救ってくれたのです。「はじまりのとき」は、あの頃に味わった感動以上に伝わってくるものがあります。こんなセンチメンタルな時代だからこそ、どの人もみな、よりどころを探しています。アンさんの歌声は、優しくそっと支えてくれる。こころの処方箋です。

石原弘之(映画プロデューサー)



生きることがしばしば困難なこの時代。
誰かが全てをさらけ出して想いを語ってくれることがこんなに心を溶かしてくれるとは....。
アン・サリーさんの魂、思想、喜び、悲しみは文字通り私を救ってくれるようです。
この歌声に抱きしめられながら思うのは、今回の作品は歌手としてだけではなく彼女の作家、
プロデューサーとしての類い希な才能が余すところなく刻まれているということです。
ああ、私はまだ泣くことができる、そしてその後は空を見上げることができるかもしれない、
そんな風に人を慰め、人生を鼓舞してくれる素晴らしい作品だと思います。

畠山美由紀(シンガー・ソングライター)



 『おおかみこどもの雨と雪』という映画の音楽を作っていた時、昔の歌のように暮らしに馴染んだメロディーが作りたくて、下手なりに歌いながら作曲していたのですが、ずっと頭に浮かべていたのは、アンさんの姿でした。アンさんの歌声を浮かべながら、アンさんが歌っているように音を奏でると、不思議とたくさん曲が生まれました。それはきっと、アンさんが僕にとって歌そのものだったからだと思います。
 あれから10年、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』の音楽を担当することになって、もう一度、アンさんと一緒に奏でたくて連絡をしてみました。今度は、歌詞までお願いして、たくさんたくさん歌っていただきました。毎朝、アンさんの歌声がテレビから流れ、日本中の暮らしがやさしさに包まれたのは、放送が終わってみると奇跡のような日々だったと感じます。
 朝ドラは1年がかりのプロジェクトで大変だったと思いますが、その間、まさかアンさんご自身のアルバムも制作されていたとは!!完成した音楽をいただいて、毎日、流しています。1曲目から家がよろこんでます。1歳になった息子もリズムを取りながら笑ってます。僕は、じーんと、家族のこと、そしてこれからの未来に想いを馳せて。アンさんの歌は、人生、そのまんま、なのが嬉しいのです。

高木正勝(音楽家・映像作家)



 音楽をiPhoneに入れるようになり、一枚のアルバムを順番通りに聴かなくなって久しいのですが、今回通して何度か聴き、改めてアーティストが悩みに悩んで決めた曲順通りに聴くことの大切さを思い知り、同時に、いまだコロナ禍であるがゆえに響いてくるものも多々あったのでした。(もっとも、やがて曲順は機械任せになりシャッフルされ、今響いたものは時を経て別の響きへと変遷していくのですが、それでも今、通して味わえたことこそが幸甚でした) 
 緊急事態宣言が発出されてからの自粛期間中、少しでも自然のあるところをとコースを選んで歩き始めたときに感じていたことがアルバムを聴き始めた途端、よみがえりました。
 風は木立の合間を吹きすぎ、川は静かに流れ、小鳥は自由に歌い、日はキラキラと光っていました。暮らしや心を豊かにしてくれるのも自然なら、脅威を与えるものも自然から来るもの。そういうなかで私たちは生きているのだと考えたものでした。
アルバムから風が吹き抜けていき、「どうか お願い 奪わないで」と歌うアンさんの歌詞がストンと胃の腑に落ちました。
 一方、アンさんの魅力のひとつであるチャーミングさも存分に発揮されており、『夜の帷が降りてきたなら』では、アンさん家族の食卓がまざまざと想像されて聴いているうちに知らずと広角が上がっているのでした。
 朝の歌から始まるアルバムですが、アンさんの歌声に朝は爽やかで透明でこれぞぴったりと思いきや、実は収録されている曲の多くが夜を歌ったもので軽く驚きました。しかし、アンさんが歌うと夜は朝に繋がる、希望ある夜になるようです。
 その最たる曲は『夜明け』で、目に見えるもの見えないものを越えて全生命が夜明け前の一瞬に祝祭をあげているように私には思われたのです。
 癒やしというと、月並みです。むしろ一枚のアルバムそのものがカウンセラーのような役割を私には果たしてくれました。約一時間、寄り添ってくれてありがとう。
 さあ今夜も、頭から通して聴いてみよう。

平松恵美子(映画監督)



 この2年、世界はずっと閉塞感に包まれていた。人々の間には悲しみや憂鬱が少しずつ積み重なって、私たちはずいぶん危うい時を過ごしていたように思う。誰かだけ、とか、どこかだけ、ではなく、世界中が、ほんとうに、そうだった。
 だけどもちろんそんな中でも日々は続いていて、その時々に押し殺していた感情とか、だからこそ気づけた大切なものとか、見つけた喜びとか、いつの間にか失ってしまったものへの悲しみとか、そういうことはなかなか言葉にできないままでいた。それもこの2年の特徴的な出来事だったように思う。
 2022年のはじめにアン・サリーさんから届いたこのアルバムを聴いた時、あ、これは、私が感じていたあの時のあのことだ、と思った。そばにいるものへのより愛おしい想い、過ぎゆく日々へのかけがえのなさ、小さな幸せをただただ祈るように生きるその切実さは、うまく言葉にはならなかったけれど、確かにあって、それは、彼女が歌に描いた、家族との食卓の風景や、夜中の道の風景や、眩しい朝日や、小さく咲く野花や、そういうものと重なった。そして、アンさんの歌声は、年を重ねるたびに生きることの喜びや悲しみも増えていく中で、それでも心軽やかに、日々心揺らしながら生きることを切に願うような声だと思った。いや、音楽そのものが本来そういうものなのだろうとさえ思った。内側から声なき声が漏れ、想いが溢れる時、歌が生まれる。言葉とメロディが重なって、ハーモニーが生まれて、リズムが宿って、時代の空気や漂う気配やその時々の祈りが音楽になる。それをアンさんは、ほんとうに、一曲一曲、生々しいままに、形にしていた。だから、初めて聴いた時、これは「私の歌だ」と、そう思ったのだ。もちろん私の歌ではない。それは幸せな誤解だけど、だけどそのことで、私は、少し泣けて、ふと救われて、心が高鳴った。いつの間にか口ずさみ、歌い踊ってもいた。
 一曲目から最後まで通して聴いてみる。一曲一曲には、私たち一人ひとりのさまざまな時間の重なりや風景が描かれているけれど、アルバムをひとつの流れとして聴いていくと、朝と夕と、そして夜の闇から光への巡り、見えないけれど、聴こえないけれど、ほんとうはここにあるもの、旅立つことと還っていくこと、受け取るものと受け渡すものの連なりが見えてきた。そういう巡りや連なりを感じながら生きることは、この難しい時代を生きていくのに、とても大きな心の助けになると思った。
 演奏は、デビュー20年の間にアンさんが出会った信頼する音楽家たちをはじめ、日本の地方都市やL.A、ニューオリンズの音楽家たちとのリモートでのレコーディングも行われたと聞く。思うようにライブができなかった時を経て、気心知れた仲間の顔を見ながらともに音を出せる喜びはいかほどのものだったか。行動規制があって海外に行けなかった時に、遠くにいても、同じ時代を生き、音楽を奏でることの愛おしさは、どれほど心を強くしたか。その尊い時間が音の隅々から伝わってくる。そして、その喜びが、アンさんの清らかで、声自体が物語を持っているそのたおやかな歌声から聴こえてくる。
 彼女のような音楽家が、そして、ともに演奏する彼らのような素晴らしい演奏家たちが、同じ時代に生きていること、この時代に音楽を響かせてくれることに、深く感謝せずにいられなかった。音楽は目には見えないし、手に掴むこともできない。だけど、これほどに鮮やかに感覚を呼び起こしてくれる。言葉にならなかった想いを開放してくれる。明日を生きていくための小さな勇気をくれる。
 このアルバムは、まさしくそういうものだった。聴き終えた時、身体の内側から静かに力が湧いてきた。

川口美保(CONTE MAGAZINE 編集長)

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